Monthly Archives: 7月 2023

6月16日礼拝「心が衰え果てる時」

詩篇講解NO61「心が衰え果てる時」61篇1~8節

仁井田義政 牧師

 今日の聖書箇所には、「私の心が衰え果てる時」という言葉があります。それはどういう状態なのでしょうか。それはあまりにも辛くて心が衰弱してしまっている状態で、立ち上がる力を失っている状態です。

★ダビデの祈りは、「叫び」と記されています。また「私は地の果てからあなたに呼ばわります」と記されています。それは、誰も助けに来られない状況を表わしています。

★ダビデは「心が衰え果てるような」状況にありながら、「私の及びがたいほど高い岩の上に私を導いて下さい」と祈りました。私達人間には、自分の力では万策尽きた時にも、天の窓は開かれているのです。ですから神様は私の「避け所」敵に対する「強いやぐら」「神の幕屋」「御翼の陰」と、記されているのです。これが、ダビデの神様への信仰でした。ダビデは、自分が地の果てで「心が衰え果てる状態に」なっていても、神様への信頼を失わず、神様に助けを叫び求めているのです。

★ダビデは、呻き叫ぶほどの苦しみの中で祈っていました。(1~4節)

しかし次の5節からは、神様によって道が開かれ、希望と感謝の体験が記されています。神様は、「心が衰え果てる」程に衰弱してしまった人の祈りも「地の果て」からの祈りも、「苦しみ叫ぶ人」の祈りも、聞き漏らすことなど絶対にありません。

★「白洋舎」の創業者・五十嵐健治さんは、ある従業員の裏切りによって営業停止状態になった時に、猛烈に腹を立てて怒り、復讐心に燃えたそうです。しかし教会の礼拝に行き祈っていると「復讐してはならない。復讐は私のすることである」(ローマ12章19節)と「神が味方であるならば、だれが敵対することができるでしょう」(ローマ8章31節)という聖書の言葉が聞こえてきたのです。五十嵐健治さんは、その神様の言葉に従いました。すると会社が、成功に向かって動き出したのです。

★私達の神様は「心の衰え果てる時」の助けです。「避け所」です。「強いやぐら」です。あなたを守る「御翼の陰」です。

あなたも「心が衰え果てる時」、神様の救いの力を信じましょう。

7月9日礼拝「神には力があり、救いがある」

詩篇講解NO60「神には力があり、救いがある」60篇5~12節

仁井田義政 牧師

今日の詩篇は、第二サムエル記8章などがその背景と言われています。両方に「塩の谷の戦い」が記されているからです。そこには偉大な王であったダビデの戦いが連戦連勝で記されています。しかしこの60篇には、ダビデの敗北とその苦悩が記されています。そこにはダビデ自身が書いた解決の道が記されています。それはまた、私達が苦悩の中からどのようにすれば立ち上がることが出来るかの、神様からの啓示なのです。

★1~4節に、ダビデは戦いに負けて失望状態にある様子が記されています。それはまさに悩みで足に力が入らず、地がぐらついているような感覚でした。2節に、しっかりと立っていられない状態が記されています。それは、神様に信頼しなかった結果であったとダビデは反省しています。

★5~8節には、ダビデの祈りと神様の答えが記されています。ダビデは「あなたの愛する者が助け出されるために、答えてください。」と食い下がる祈りをしました。神様は、ダビデの祈りに聖所から答えられ、東西南北は私のもので「ユダ族は私の杖だ」と言われました。杖は支配権を現わします。神様は、イスラエル12部族の中のユダ族を用いて世界を支配すると言われたのです。ダビデはユダ族です。

★9~12節には、「人の救いや助けはあてにならない。神様の助けによってのみ勝利できる」と記されています。まさに敗北という苦しみの体験の中で到達した信仰の奥義でした。偉大なイスラエルの王であったダビデには、なおさらのことです。

★会社の問題において、家庭の問題において、学校の問題において、経済的な問題において、ありとあらゆる問題に打ち負かされそうになり、地盤が揺れ、基盤が崩壊し、途方に暮れてしまうことがあります。しかし幸いなことに、私達にも聖所から最高の知恵の言葉あります。「神には力があり、救いがある」という言です。私達はダビデのように、神様を信じ、神様を信頼する道を選び、苦悩の中からでも人生の勝利者になりましょう。

7月2日礼拝「私を高く上げてください」

詩篇講解NO59「私を高く上げてください」59篇1~9節

仁井田義政 牧師

表題に「サウルが人々を遣わし、彼らがその家の見張りをしたときに」とあります。この詩は、ダビデがサウル王に命を狙われた初期の頃の詩だと言われています。ダビデは1節で「私に立ち向かう者が届かぬほど、私を高く上げてください」と祈りました。それが今日のキーワードです。

★5節で「すべての国々を罰してください」とあるので、異邦人が敵なのかなと思ってしまいます。しかし「裏切り者」とあり、神を信じていると言いながら、異邦人と同じになった者のことです。その者達は、ダビデに対して、餓えた野良犬のように付きまとい、餌食にしようとしているのでした。

★しかし5節には「イスラエルの神」と記されています。それは契約の神のことです。約束は完全でした。やがてはダビデの家系から救い主キリストがお生まれになるのです。(マタイ1章)ダビデは、どんなに不利な状態にあっても、「この神様との契約がある」と契約にすがって祈っています。そして5節で「あなたは万軍の主・イスラエルの神」と祈っています。8節で「神は彼らを笑う」と記しています。神様は「私の砦」(9節)「私の盾よ」(11節)と、その信仰を記しました。

★ダビデは祈り始めの時は、明らかにおびえていました。前半の1~4節に「救い出してください」が2回。「救ってください」が1回。「助けてください」が1回あります。そのおびえた夜の最初の「わたしに立ち向かう者が届かぬほど、私を高く上げてください」との祈りは聞かれたのです。

★14節を見ると、現状は変わっていません。敵は、同じようにダビデを食い物にしようと探し回っていたのです。しかしダビデの心が変わったのです。私が祈ったように、神様は私を「わたしに立ち向かう者が届かぬほど、私を高く上げてくださった」と確信したのです。

★環境が変わるのを待っていたのでは、ダビデに希望の朝は来ませんでした。しかしダビデは「朝明けには、あなたの恵みを喜び歌います。」と希望の朝を迎えることができました。今あなたは悩みの中にありますか。何かに恐れ、怯えてはいませんか。もしそうなら「私をその問題から高く引き上げ救ってください」と祈りましょう。私は神の子なのだと告白し、感謝しましょう。主に信頼して「私を高く上げてください」と祈りましょう。