2023年クリスマス礼拝「クリスマスの夜の恐れ」ルカ2章8~20節
仁井田義政 牧師
クリスマスおめでとうございます。クリスマスは、世界中がお祝いムードになっていますが、聖書に出てくるクリスマスの光景は、「喜び」と「恐れ」でした。
★その夜も、羊飼い達は羊達に猛獣が襲ってくるのではという恐れがありました。羊を守る為に雇われて、夜も働いていたからです。その時、羊飼い達に全く違った恐れが襲いました。宗教的な恐れです。羊飼い達はユダヤ人達でした。それは、ユダヤ人が大切にしていた律法を守れず、特に安息日も守れない人たちだったからです。彼らは、当時の人々から「アム・ハーレツ」(地の民)と呼ばれ、天に属していない民と言われていたのです。その身なりも羊毛の油で汚れきって、異臭を放っていたはずです。
★羊飼達が野宿していた近くの高台に、ベツレヘムの町がありました。その町は、皇帝アウガストの人口調査の命令で、旅人でごった返していました。そのような町の喧騒からはじき出された羊飼い達が、突然の天使の出現によって、彼らは「ひどく恐れる」こととなりました。不信仰な私達に神様の裁きの時が来たと思ったからでしょう。
★天使は、羊飼い達に「恐れることはありません。今、私はこの民全体のためのすばらしい喜びを知らせに来たのです」と伝えました。「民全体」とは、身分に関係なく「すべての民に」という意味です。今まで羊飼い達は地の民と言われていましたが、キリストの誕生によって「天の民」となったのです。羊飼い達は「主が私達に知らせてくださったこの出来事を見てこよう」と、ベツレヘムに向かいました。すると羊飼い達よりも、身を低くして「飼い葉桶に」イエス様が寝かされていました。それがキリストの印でした
★クリスマスは、すべての民に与えられる「喜びの訪れ」なのです。しかし、もう一人キリストの誕生を恐れた人がいました。それはヘロデ大王です。イエスが王様になったら自分の立場が危ないと思い、2歳以下の男の子を全て虐殺しました。自分の生き方を変えたくないため、キリストを排除しようとしたのです。あなたはヘロデ王のように、自分の人生が変わることを恐れて、キリストを排除するのではなく、羊飼い達のように、自分の人生を変えるために、イエス様を信じようではありませんか。