詩篇NO51「雪よりも白く」51篇5~13節
仁井田義政 牧師
この詩は、ダビデ王の生涯中で最も他人には知られたくない事が記されています。それは表題に記されているように、ウリヤの妻バテシェバとのことです。ダビデ王は、サウル王に命が狙われる苦労の時代が終わり、富も地位も手にした時、傲慢になって大きな罪を犯してしまったのです。51篇はその罪の悔い改めの詩篇です。
★ダビデが51歳頃のことです。バテシェバとのことは、第二サムエル記11章に記されています。ある日の夕暮れ、ダビデが王宮の屋上を歩いていると、一人の美しい女性が水浴しているのが見えました。その人は、家来の妻バテシェバでしたが、王宮に招き身ごもらせてしまったのです。ダビデはその罪を隠すために、バテシェバの夫ウリヤを激戦地に送って戦死させ、彼女を妻として迎えるのです。それは完全犯罪のはずでした。
★しかしダビデの所に預言者ナタンが来て、ダビデが隠していた罪を指摘したのです。そのことは第二サムエル12章に記されています。罪を隠しているダビデは、人々には良い人に見えました。夫を失って経済的基盤を失った女性を妻としたからです。しかし、人には隠せても神様の目には隠すことはできませんでした。預言者ナタンが激しくその罪を指摘すると、ダビデは全ての罪を神様に告白したのです。
★ダビデは「自分の背きの罪を知っている」(3節)と告白しています。そして神様からどんな罰を与えられても、神様が正しい(4節)とその罪の大きさを認めています。しかしダビデは、神様に赦しを請いました。それが「ヒソプをもって私の罪をきよめて下さい。そうすれば雪よりも白くなりましょう」(7節)です。ヒソプは出エジプト記12章22節に、「ヒソプの一束を取って、・・かもいと門柱に羊の血を塗りなさい。」と記されています。またイエス様の十字架の時にも、ヨハネ19章28節に出てきます。つまりヒソプは、罪の赦しと関係があるのです。ダビデは「そうすれば、私はきよくなります。雪よりも白くなります」と信仰告白をしたのです。
★罪のない人などいるでしょうか。「私にはひとつの罪もありません」という人がいるとすれば、それは偽りです。私達も罪を告白し、不信仰を悔い改め、主から雪よりも白くして頂きましょう。