詩篇NO36「注いで下さい!あなたの恵みを」36篇5~12節
仁井田義政牧師
今日の詩篇36篇は、公的な礼拝での合唱団による賛美のために作られたものです。それだけに、大衆に訴えかけるスケールの大きな素晴らしい内容の詩篇です。その内容は、宇宙の果てから深海の深みにまで言及しています。しかもその広大無辺な神様の恵みは、一個人にも注がれていると歌われています。
★ダビデは、1~4節で悪者の罪を記しています。自分にへつらっているので「悪を認めることも憎むこともできない」また悪者は「寝床での不法のはかりごとをする」と言っています。通常は、寝床で反省をして次の日を迎えるものです。しかし悪者は、さらに寝床で悪巧みをするとダビデは言います。そして朝になると、さらに強く悪行を実行するのです。
★神様の恵みの大きさを5~9節で記しています。恵みは、天につまり全宇宙に満ちています。地球で例えるならば、最も高い山や最も深い海のようです。また神様の恵みは、御翼の陰のようだとダビデは言います。それは母鳥が命をかけて雛鳥を守るように、神様は私達を守って下さるのです。続いて「命の泉はあなたにあり」と記されています。イスラエルの高台に立ってみると、茶褐色の荒野ばかりが続いているのが見えてきます。しかしその中に、ヨルダン川の流れが緑の線となって北から続いています。そのように、命の泉はあなたに流れているのです。
★ダビデは、「あなたの恵みを注いでください」(10~12節)と祈っています。ダビデは信仰者です。この歌を神の家で歌う人々も楽団も、神様を信じる人々です。それなのに「注いでください」と祈っています。それは、「高ぶりが追いつかないように」(11節)です。それは、不法を行なう者は必ず倒れるからです。
★今日の詩篇から教えられることは、悪者が一時的には力強く生きているように見えることがあっても、それに騙されてはならないということです。神様に信頼して生きる者には、「命の泉はあなたに」あるのです。ダビデは、「注いでください!あなたの恵みを」と祈ります。
私達もダビデのように「注いで下さい!あなたの恵みを」と祈りましょう。