詩篇NO47「神にほめうたを歌え」47篇1~10節
仁井田義政 牧師
今日の御言には「神にほめ歌を歌え」と何度も繰り返されています。キリスト教会と賛美歌は、切り離せないものです。今日は、神様をほめたたえる素晴らしさをお話しいたしましょう。
★大々的に主を賛美する姿は、紅海の奇跡の直後(出エジプト15章1~21節)に出てきます。賛美歌を一般大衆と結びつけたのは、ダビデ王でした。そして詩篇は、旧約時代の礼拝賛美集なのです。新約時代も賛美は一般の人々のものでした。イエス様と弟子達は、最後の晩餐の後に賛美をしました。またパウロとシラスがピリピの牢獄(使徒16章24~25節)で賛美した時に、奇跡が起こったことが記されています。コロサイ3章16節、エペソ5章18~19節には、「詩と賛美と霊の歌」による賛美が推奨されています。
★しかし先週も話しましたが、教会の賛美はローマ皇帝の迫害によって禁止されてしまいました。約300年間です。ローマが313年にキリスト教を公認すると、今度は367年のラオデキヤの教会会議で、一般大衆が賛美することが禁じられてしまいました。教会の礼拝で賛美できるのは、聖職者と音楽の専門家だけと決められてしまったのです。聖書も賛美も教会で聞くだけになってしまいました。しかも賛美はラテン語(ローマ語)だったのです。人々は教会で賛美歌を聞いても、歌詞の意味も分からない状態でした。
★そのような賛美の暗黒時代は、1517年のルターによる宗教改革まで続きました。実に約1200年間も、教会に会衆賛美はなかったのです。それに異議を唱えて宗教改革者のルターは、自ら賛美歌を作り自国語で歌うことを推奨しました。ルターの約200年後に、現代音楽の父と言われるセバスチャン・バッハがプロテスタントから出ました。その後、イギリスで多くの賛美歌が作られました。その後アメリカで黒人霊歌、ゴスペルが生まれました。今では、誰でも賛美歌を作り、歌うことの出来る時代になったのです。
★今日の詩篇47篇6~7節には「ほめ歌を歌え」が5回も繰り返し奨められています。私達は、コロナ禍で礼拝賛美の面でもだいぶ圧迫された数年を過ごしました。コロナも世界的に収束に向かっているようです。私達も「手を叩き喜びの声を上げて神に向かって叫ぶ」賛美の回復を目指しましょう。