(待降節3)「恵みを思いめぐらすアドベント」

(待降節メッセージ3)「恵みを思いめぐらすアドベント」詩篇77篇1~12節

                        仁井田義政 牧師

アドベント第三週になりました。冬の雨の日に一羽の雀を助け、車の中に入れてあげました。しばらくすると車の暖房で体が温まり、車中を飛び始めました。運転が危険になって窓を開けると、雀は再び冷たい雨の中に飛んで行ってしまいました。その時、神様から「多くの人間も皆そうなのだ」と教えられた気がしました。

★今日の詩篇の結論は、1節の中に記されています。詩人は「声を上げて、神に叫んだ」のです。きれいな祈りではありません。苦しみの叫びです。神様は「その叫びを聞かれる」のです。この詩人は、夜も眠れない程の悩みの中にある老人でした。(4-9節)

★詩人は、このような悩みはなぜ起こったのかと自分の過去に原因を求め、自分の心と語り合いました。私は神様から見放されてしまったのか。私への主の恵みは完全に断たれてしまったのか。神様はいつくしみを忘れてしまわれたのだろうかと、思い悩みました。

★詩人は、弱り果てた信仰と心とを立て直すために、「神の御業を思い起こそう」と決意しました。そして出エジプト記の自然をも動かされた神の御業を思い起こしたのです。(13-20節)この詩人の信仰の回復と、夜も眠れないほどの悩みからの回復は、11-12節の神様の奇しい御業を思いめぐらすことによって、もたらされました。

★今日この詩篇をアドベント第三週のメッセージとした理由は、詩篇77篇と、ルカ2章19節に「思いめぐらす」という言葉があるからです。詩篇の方では、詩人が悩みの解決を求めて神様の恵みを思いめぐらしたことが、ルカの方では、マリヤが羊飼達からキリスト誕生の事を聞いた時、「心に納めて、思いを巡らしていた」ことが記されています。 

★詩篇77篇の詩人にも、マリヤにも深い不安がありました。しかし両者とも、神様の恵みを「思いめぐらして」その不安から解き放たれていったのです。そして、詩人には悩みからの救いが与えられ、マリヤを通しては世界の救い主が与えられたのです。アドベントは、神の愛と救い主の恵みを「思いめぐらし」ながら、主を待ち望む時です。この最後のアドベントの週に、私達は神様の恵みを思いめぐらし、救い主イエス様を待ち望みましょう。

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