11月19日礼拝「夜からの解放」

詩篇講解NO74「夜からの解放」74篇1~9節

                    仁井田義政 牧師

 アサフは紀元前約1000年の人です。詩篇74篇の背景には、神殿の壊滅が記されています。神殿は、紀元前586年にバビロン軍によって破壊されました。もしこの詩篇のサフが個人名であるとすれば、400年くらい生きていたことになります。そのようなことはないでしょう。このアサフは、アサフ族のことでしょう。ですから、そのアサフ族の「嘆きの詩」と考えられます

★1節には「神よ、なぜいつまでも拒み御怒りを燃やされるのですか。」と記されています。この言葉から見て、バビロンに奴隷となってから数年は過ぎている頃の詩でしょう。作者は、このバビロン捕囚は神様への不信仰の結果と受けとめています。しかし作者は「昔あなたが買い取られた、贖われた民を」と祈っています。「昔」とはエジプトからの解放の時のことで、それを例に祈り、くいさがっているのです。

★詩人は「神殿が破壊されたままなのに、神様は足を向けず」(3節)「右の手を懐に引っ込めておられる」(11節)と言っています。それはこんなに、神の神殿が破壊され、略奪され、神の民達が苦しめられているのに、神様は黙っておられると不平を漏らしています。その屈辱的な時に、私達に預言者(霊的な指導者)もいない(9節)と嘆いています。私達の神様は、昔から天地万物の創造や、イスラエルの民の奇跡的な救出の御業を行なってくださったが、いま神様は何もしてくれないと不平を言っているのです。

★しかし、神様はイスラエルの民達に預言者(指導者)を置かなかったのでしょうか。バビロン捕囚の前に、イザヤやエレミヤという大預言者を置きました。しかしイスラエルの民は、彼らを信じないで迫害したのです。エレミヤ29章10節には「捕囚期間は70年」とはっきりと預言されています。彼らはエレミヤを信じなかったので、そのことを知らなかったのです。

★私達にも、絶望的な人生を歩いているように思える時があります。しかしこの詩人がいみじくも言っているように、「昼はあなたのもの、夜もあなたのもの」なのです。人生には真昼のような希望に満ちた時もあれば、夜のような絶望的な時もあります。しかしイエス様こそ、まことの指導者であり、あなたを暗闇から救い出す解放者なのです。ですからあなたも、イエス様を信じてあらゆる闇から解放されましょう。

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