詩篇NO.71「老人ダビデと賛美」71篇9~14節
仁井田義政牧師
この詩も、伝統的には老人ダビデの作と言われています。今から三千年前のイスラエル人の平均寿命は、40歳くらいでした。ダビデは60歳位でこの詩を書き、70歳まで生きました。それから見て、ダビデは相当な老人でした。老化は誰にも避けることが出来ません。この詩は、クリスチャンである私達が、年老いた中どう生きるべきかに、大切な示唆を与えています。
★老人ダビデは、自分の息子アプシャロムに王位を狙われ、反逆されるという苦しみ中にありました。ダビデは荒野へと逃げたのです。老人ダビデにとって、荒野はとてもきつい所でした。アブシャロムは、容赦なくダビデの命を狙いました。しかしダビデは、決して息子アプシャロムの命を取ろうとは思わなかったのです。
★この詩の中には、ダビデの苦難の中での祈りが記されています。ダビデは「母の胎から取り上げたのはあなたです」(6節)と祈っています。ダビデであろうと誰であろうと、神様をそう信じる人の信仰は強いのです。またダビデは「あなたの義によって私を救い出し、私を助け出して下さい」(2節)とも祈っています。これは、キリストを信じる私達にとって大切な祈りです。なぜなら私達も、自分の義ではなく、主の義によって祈る者とされたからです。
★ダビデの生涯は、20節にあるように「多くの苦しみと悩みに会った」ものでした。ダビデはその中で、老人になっても数多くの賛美歌を作詞し、作曲し、演奏し、歌いました。しかも15節で「私の口は一日中、あなたの義とあなたの救いを語り告げましょう。私はその全部を知ってはおりませんが」と言っています。つまり、神様の恵みは無限ですから、これからもどんどんと神様をたたえる賛美を作り歌うと言っているのです。
★老人になって息子に命を狙われる苦難に遭うという、これ以上の苦しみがあるでしょうか。しかしダビデは、はかり知れない神様の義と救いを賛美したのです。これぞ私達が学ぶところです。老人ダビデは、現実には苦難があったとしても、苦難に負けない賛美の人でした。神様の尽きることのない恵みを賛美する人だったのです。私達も、ダビデにならって神様の恵みを心から歌う人になりましょう。
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