詩篇講解NO86「私の心を一つにして下さい」86篇11節
仁井田義政 牧師
今日の詩篇には「ダビデの祈り」という題が付いています。この詩は後の時代に編集された詩であろうという人もいます。たとえ後の時代の編集だったとしても、今日はダビデの心に立って、メッセージをお伝えします。
★ダビデは1節で「私は悩み、そして貧しいのです」と言っています。この貧しさは、金銭的なものではありません。敵への対処能力のことです。あるいは、心の力を意味します。その悩みは「たましいを守って下さい」とあるように、たましいが破壊されるほど激しい心配なのです。皆さんにとって、たましいを破壊するほどの敵は何でしょうか。
★たましいを破壊するほどの苦難に、一日中ダビデはあきらめずに祈りました。そのことは3節に記されています。なぜそのような祈りをすることが出来たのでしょうか。それは5節にあるように「神は恵み豊か」だからです。この詩篇には、苦難の中にありながら、感謝の言葉があふれています。まさに苦難の中における感謝の祈りです。
★それでは、それほどの苦難の中で、たましいが破壊されなかった秘訣はどこにあったのでしょうか。それは、11節の「主よ、あなたの道を教えてください。私は真理のうちを歩みます」と記されている通りです。神様の御言、聖書の御言に「聞く」こと。そしてそれだけではなく「歩む」こと。つまり御言を実践し、生活することです。悩みの中で、いろいろなことを思い煩い、心が分裂しまとまらないことがあります。ダビデはそのようにならないように、「心を一つにする」(11節)ことを祈ったのです。そうして「御名を恐れるように」と祈りました。
★「御名を恐れる」とは、神様を怖いと思うこととは全く違います。この所に出で来る「恐れ」とは、神様はどんな問題でも解決し、助けてくださる唯一の御方であると信頼することなのです。ですからダビデは、たましいを破壊してしまうほどの苦難の中にあっても、「まことに主よ、あなたは私を助け、私を慰めてくださいます。」と、祈りを終えることが出来きました。
あなたも苦難の中にあるならば、心が心配事で分裂することを許さず、徹底して神様の愛を信じることに集中し、「心を一つ」にしましょう。
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