3月6日礼拝「世界の王キリスト」

詩篇講解(NO.2)「世界の王キリスト」2篇1~12節

          仁井田義政牧師

 詩篇二篇の冒頭は「なぜ国々は騒ぎたち、国民は空しくつぶやくのか」という言葉で始まっています。今から三千年も前の国際状況を現わしています。現代も世界の国々は騒ぎ立っています。ロシアによるウクライナへの侵攻。それに対する西側諸国の牽制。第三次世界大戦に突入してしまうかも知れない事態なのです。聖書は、三千年も前からそのような人間の愚かさを解決する道を示しています。それがこの詩篇二篇なのです。

★ 主の教えに逆らう王達の姿が記されています。「かせを打ち砕き、綱を解き捨てよう」は、神の教えに猛烈な反対行動をする王達の姿です。それは、また国の指導者達の自己神格化の姿なのです。

★自己を神格化した王達は、自分の思い通りに何でも出来るし、人々を幸せに出来ると思い込んでいるのです。それを「天の御座に着いている者」、つまり神様がその愚かさを笑っておられるのです。詩篇は、キリストのことが預言的に書かれています。そのことは、ルカ24章44節でイエス様ご自身が言っておられます。今日の詩篇に出てくる「油注がれた者」とは、聖霊が注がれた者の意味であって、その究極が「イエス様」です。

★7節に記されている「あなたは、わたしの子、わたしがあなたを生んだ」の言葉は、新約聖書に幾度かキリストのこととして引用されています。(へブル書5:5参照)この方に国々の支配を委ねられたのです。世界を支配するために諸国を侵略したギリシャ帝国、ローマ帝国、モンゴル帝国、フランス帝国、日本帝国、等々の帝国は、いま何処にありますか。多くの人々を殺し、殺された歴史だけが残っているのです。この詩篇二篇を通して、いま私達は全歴史を見通す神様の目、キリストの目が与えられているのです。

★イエス様だけが、世界中で二千年以上も、偉大な救い主であり続けているのです。イエス様が十字架につけられた時、そのことを誰も信じることが出来なかったのです。しかし聖書の詩篇に、様々な支配者達が我が物顔に闊歩し、神のように振る舞っても程なく倒れ、キリストの支配のみが全歴史の上に続いていくことが記されているのです。しかも今日の詩篇の最後に「幸いなことよ、すべて主に身を避ける人は」と記されています。

イエス様は世界の王です。信じる全ての者に、幸せを与えて下さる王なのです。

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