(マタイNO79)「どうしてあなたがたには分らないのですか」 マタイ16章1~12節 仁井田義政牧師
イエス様は、異邦人の地方からイスラエルの地に帰って来られました。それを待ち構えていたように、パリサイ人とサドカイ人達がイエス様を取り囲み「天からのしるしを見せてください」と願い出たのです。その言葉はイエス様を信じ信頼した心からのものではなく、むしろイエス様を「試そうとして」の言葉でした。そこに、私達人間の不信仰ゆえに「本当のことを見抜けない」惨めさと、イエス様の悲しみが記されているのです。
★イエス様は異邦人の地で異邦人の女性に会い、「あなたの信仰はなんと立派でしょう」と誉められました。その後の異邦人の地デカポリスでも三日もイエス様の側を離れなかった人々を見ました。その異邦人の信仰に応え、多くの病人を癒し、四千人へのパンの奇跡も行なわれました。その後、真の神を信じるイスラエルに帰って来られました。それを待ちかねたように、イスラエルの信仰の指導者であるパリサイ人とサドカイ人が来て、イエス様に質問しました。その質問はイエス様を試そうとする悪意に満ちたものでした。
★パリサイ人とサドカイ人は、イエス様に「天からのしるしを見せてください」と願い出ました。それはおそらく天から稲妻とか、突然雨が降るとかのことでしょう。しかしその目的は「試そうとして」でした。イエス様はそれに応じることなく、「あなたがたは天候は見分けることができても、どうして「時のしるし」を見分けることが出来ないのですか」と言われました。「時のしるし」とは、キリストの恵みの時代のことです。彼らの目の前に救い主がいるのに、しるしを見ないと、キリストがいま自分と同じ空間におられることを信じられないのです。イエス様は自分の存在を証明しようとせず、彼らを残し去って行かれました。信じようとしない者は信じないからです。
★弟子達と合流したイエス様は「パリサイ人やサドカイ人のパン種に気を付けなさい」と話されました。すると弟子達は「自分達がパンを用意してこなかった」事に対する叱責だと思いました。イエス様はそれを知って「信仰の薄い人達。どうしてあなたがたにはわからないのですか」と言われました。この不名誉な事件を、弟子のマタイは記しました。それは私達への警告でもあります。「パリサイ人とサドカイ人の教え」とは不信仰な話のことです。キリストを前にしても「キリストである証拠を見せよ」という、それが人間の愚かさです。私達はイエス様を試したりせず、イエス様を心から信じようではありませんか。