(第一コリントNO3)「十字架の真理のみ」第一コリント1章10~17節 仁井田義政 牧師
パウロはいよいよこの手紙の本題に入っていきます。それは今までにも何度も話していますように、コリント教会分裂の危険でした。コリントはギリシャ哲学の盛んな所でもあったので、ギリシャ人のクリスチャン達も知識欲に満ちていました。パウロはそのことで仲間割れしないようにと勧めました。
★パウロは「兄弟達」(39回)と穏やかに本論を伝え始めました。しかもお願いしているのです。この願いは、パウロ自身の考えではなく、イエス様の全存在がかかっている願いであることを「イエス・キリストの御名によってお願いします」と表わしました。
★パウロはクロエ家からの情報で、コリント教会に仲間割れの危険がある事実を知りました。その争いは「私達は創立者のパウロ先生につく」「私達はパウロ先生の後に来た雄弁家のアポロ先生につく」「私達はイエス様の直弟子のケパ先生につく」「私達はキリスト党になる」等と言って分裂の危機になっていたのです。パウロはコリント教会の創立者でしたが、自分にコリントのクリスチャンを結びつけたことはなかったのです。
★パウロは「教会に分裂を起こすほどに、誰につくかが大切なのでしょうか。それならばイエス様の十字架が無駄になってしまう」と言うのです。なぜそのように、十字架が空しくなってしまうようなことになったのでしょうか。ギリシャ人特有の哲学的言葉を重んじ、それを求めたからです。分裂が起こりそうになっているのは、まさに指導者の言葉に重きを置き過ぎて、最も大切な十字架の真理を忘れたからなのです。
★パウロの挙げた3人は、初代教会において重要な人々でした。ケパと記されているペテロも、パウロよりもはるかに早く指導者となった人です。アポロは雄弁家でした。パウロは行動家でした。3回も伝道旅行をし、ヨーロッパにまで多くの教会を設立しました。大切なのは、キリストを伝えた指導者ではありません。教会にとって最も大切なのは、私達の罪の為に十字架について下さったキリスト御自身なのです。分裂や争いは、キリストの十字架を空しいものとしてしまうのです。ですから教会は、十字架の真理のみを最も価値あるものとし、いつもイエス様の十字架のもとに、ひとつとなって前進しましょう。