エペソ書講解(22)「夫婦愛の秘訣」5章21~33節
仁井田義政牧師
今日の御言は、結婚式の時などによく読まれる所です。今日の御言が、私達に何を教えようとし、どのように世界歴史に影響を与えて来たかをお話しいたします。
★オリンピックの関係者が女性蔑視発言で失脚しました。今日の御言は、誤解を受けやすい所でもあります。それは22節の「妻たちよ、主に従うように自分の夫に従いなさい」という部分です。しかも、32節に「これは教会を指して言っているのです」とあっては、夫婦のことか教会のことかが分からなくなります。
★次に「夫たちよ。キリストが教会を愛し・・自分の妻を愛しなさい。」と記されています。パウロは、エペソの性道徳のゆるい異教社会に生きるクリスチャンに対して、この手紙を書きました。まさに聖書の一夫一婦制を、教会とキリストの関係で話しているのです。「キリストを恐れ尊んで、互いに従いなさい」と言うのです。単に男女の愛ではなく、キリストがその間に入っておられるのです。
★ パウロは「妻は夫に仕え、夫はキリストが教会に自分を捧げたように、妻を愛しなさい」と記しました。ある人が「妻は仕えるだけで良くて、夫は妻の為に死ななければならないのか」と言いました。ギリシャ、ローマ時代は男性が断然優位な異教社会で、そこに教会の一夫一婦制が爆弾のように投じられたのです。そして33節の「自分の妻を自分と同じように愛しなさい」これが、パウロのそして聖書の結論なのです。
★昨年「ジェンダー・ギャップ指数2020年」が発表されました。いわゆる「世界男女同権度ランク」です。我が国は、世界153カ国中121位という不名誉な状態でした。その一覧表をみると、軒並み上位はキリスト教の広まった国々です。日本の下にはイスラム教国が名を連ねています。聖書は、夫婦の関係を単に男女の愛というロマン主義に留まりません。21節の「キリストを恐れ尊んで、互いに従う」という信仰と愛、キリストと教会の関係が模範となった夫婦愛を理想としているのです。そのようにして、家庭から男女同権の祝福された未来を築いていきましょう。