詩篇講解NO.110「永遠の支配者キリスト」110篇1~7節
仁井田義政 牧師
この110篇は、王様の即位式の為の詩篇と言われています。またこの詩篇は、詩篇中で最も多く新約聖書に引用されている有名な詩篇でもあります。なぜ多く引用されている詩篇なのかと言うと、それはキリストの誕生とキリストの働きを預言しているからです。イエス様ご自身も、マタイ23章44節でこの一節を引用しておられます。クリスマスが近づいているこの時期に、この詩篇に思いを馳せることは素晴らしい恵みです。
★最初に話しましたように、この詩篇はダビデ王の時代から王の即位式の時に読まれたと言われています。1節には、ダビデが「主は、私の主に仰せられる」と言ったと記されています。それは、キリストについての預言と同時に、ダビデ王が「私の主」と言うほどの偉大な御方の誕生だと言います。そしてその御方は「私があなたの敵を、あなたの足台とするまで、私の右の座についていよ」と、父なる神に言われた御方であると言っています。
★それは、キリストが十字架の死で終わるのではなく、復活して世界を支配し続けることの預言でした。復活のキリストが神の右の座に着かれると、教会は神の霊に満たされ、世界宣教を開始しました。その支配が2節に「シオン=エルサレム」から始まることも預言されています。その通りに教会はエルサレムで誕生し、そこから世界宣教が始まったのです。
★これは4節の「主の誓い、御心を変えない」という神様の決意なのです。それはまた、神様がアブラハムに「全世界はあなたの子孫よって祝福される」(創世記12:3)と預言された約束の成就なのです。そしてマタイ1章1節にあるように、キリストはアブラハムの子孫から、ダビデ王の子孫から生まれて、全世界の救い主となられるのです。ですからキリストによる世界の救いの戦いは、今日の詩篇110篇にあるように、必ず成功するのです。
★今日の詩篇は、永遠の支配者キリスト誕生の預言でした。キリストが誕生された時には、数人の羊飼い達にしかわかりませんでした。今も、日本人の多くが自分の極近くに救い主キリストがおられるのを知りません。しかしイエス様は、世界の人々を救う戦いをしてくださっています。私達もイエス様と共に、人々を救いに導く伝道の戦いをしましょう。
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