Monthly Archives: 11月 2024

11月24日礼拝「心を尽くし主に感謝」

詩篇講解NO.111「心を尽くし主に感謝」111篇1~10節

                         仁井田義政 牧師                                  

 この詩の背景は、イスラエルの民が奴隷の地であったエジプトから脱出した歴史が土台となっています。聖書は、この功績を決して人間モーセに与えてはいません。

★その功績は、モーセにではなく主なる神にあると宣言し、「直ぐな人の集いで賛美せよ」と命じています。2節には「その御業は偉大で」と記し、5節には「主を恐れる者に食べ物を与えた」と、荒野での生活を記しています。1日や2日ではなく、40年間もそうされたのです。さらに「その契約をとこしえに覚えておられる」と記しています。それは、モーセから500年位経った詩人の時代にも変わらないとの感謝なのです。

★神様は愛に満ちた御方ですが、不信仰や罪に対しては決して赦すことのない聖なる義に満ちておられます。そのことは3節に「その御業は尊厳と威光。その義は永遠に堅く立つ」と記されている通りです。それなのにイスラエルの民は、荒野で40年間も不信仰に満ちに生活だったのに、約束の地を与えられたのでしょうか。それは「主が、御民に贖いを送られた」(9節)からに他なりません。

★10節には「主を恐れることは、知恵の初め」と記されています。箴言1章7節でも「主を恐れることは知識の初めである」と記されています。「主を恐れる」とは、主の厳しさと同時に、主の愛と恵みを知ることです。そしてその主の御前で自分を知ることなのです。主の御前で自分を知るとは、自分には正しさや聖さは何一つないということを知ることです。

★ルカの福音書18章9~14節で、イエス様は「このような譬えを話された」と記されています。それは「私は罪ひとつない正しい人間だ」というパリサイ人と、「神様、こんな罪人の私を憐れんで下さい」と祈った取税人の話です。イエス様は「神様に義と認められたのは取税人の方です」と、はっきり言われました。神様は詩篇111篇9節で「主は、御民に贖いを送り」と記されています。クリスマスは、そのお方をお迎えして喜びが爆発する教会最大のイベントです。ですから今日も「心を尽くして、主に感謝」しつつ、喜びにあふれてクリスマスの飾り付けをしましょう。

11月17日礼拝「永遠の支配者キリスト」

詩篇講解NO.110「永遠の支配者キリスト」110篇1~7節

                         仁井田義政 牧師                                  

 この110篇は、王様の即位式の為の詩篇と言われています。またこの詩篇は、詩篇中で最も多く新約聖書に引用されている有名な詩篇でもあります。なぜ多く引用されている詩篇なのかと言うと、それはキリストの誕生とキリストの働きを預言しているからです。イエス様ご自身も、マタイ23章44節でこの一節を引用しておられます。クリスマスが近づいているこの時期に、この詩篇に思いを馳せることは素晴らしい恵みです。

★最初に話しましたように、この詩篇はダビデ王の時代から王の即位式の時に読まれたと言われています。1節には、ダビデが「主は、私の主に仰せられる」と言ったと記されています。それは、キリストについての預言と同時に、ダビデ王が「私の主」と言うほどの偉大な御方の誕生だと言います。そしてその御方は「私があなたの敵を、あなたの足台とするまで、私の右の座についていよ」と、父なる神に言われた御方であると言っています。

★それは、キリストが十字架の死で終わるのではなく、復活して世界を支配し続けることの預言でした。復活のキリストが神の右の座に着かれると、教会は神の霊に満たされ、世界宣教を開始しました。その支配が2節に「シオン=エルサレム」から始まることも預言されています。その通りに教会はエルサレムで誕生し、そこから世界宣教が始まったのです。

★これは4節の「主の誓い、御心を変えない」という神様の決意なのです。それはまた、神様がアブラハムに「全世界はあなたの子孫よって祝福される」(創世記12:3)と預言された約束の成就なのです。そしてマタイ1章1節にあるように、キリストはアブラハムの子孫から、ダビデ王の子孫から生まれて、全世界の救い主となられるのです。ですからキリストによる世界の救いの戦いは、今日の詩篇110篇にあるように、必ず成功するのです。

★今日の詩篇は、永遠の支配者キリスト誕生の預言でした。キリストが誕生された時には、数人の羊飼い達にしかわかりませんでした。今も、日本人の多くが自分の極近くに救い主キリストがおられるのを知りません。しかしイエス様は、世界の人々を救う戦いをしてくださっています。私達もイエス様と共に、人々を救いに導く伝道の戦いをしましょう。