聖書に触れた人々NO22「犯罪者から伝道者になった人、好地由太郎」

聖書に触れた人々NO22「犯罪者から伝道者になった人、好地由太郎」2012年11月20日                                                                                                                               牧師 仁井田義政                            

  聖書に触れた人々NO20で、ノリタケ、TOTO、日本碍子・INAXの創業者、森村市左衛門(6代目)の話をしました。彼は晩年に好地由太郎という巡回伝道者の説教を喜んで聞いて、その人から洗礼を受けクリスチャンになったのでした。その好地由太郎こそキリストを信じて重罪犯から伝道者になったという驚くべき変化を体験した人なのです。

 ★好地由太郎(こうちよしたろう)の幼少時                                   好地由太郎は、慶応元年(1865)5月15日に上総国君津郡(千葉県君津市)金田村に大村八平の三男として生まれました。由太郎の他に兄が2人、姉が1人いました。しかし明治7年(1874)父と母は別れてしまいました。母と由太郎は、住む家も無く物置同然の小屋で雨露をしのぐ生活をしました。その母とも10歳の時に死別してしまいました。育ててくれる人もなく、父親の残していた借金のために同じ村の農家に引き取られ、労働力として4年もの間、奴隷のように働かされました。 

 ★好地由太郎の犯罪                                                           14歳になると好地由太郎は上京し、父親を捜しました。父親を探し出すと、父親は荷物船を所有して貨物の運搬業を営んでいました。その父を手伝い働きました。また父親と別れた時、父親に連れられて行った実姉の家も見つけ出し、同居することになりました。父親が死ぬと、姉の夫で新聞記者・好地重兵衛(芝教会役員)の養子となりました。好地由太郎は都会の悪にだんだんと染まって行き、店の金を持ち逃げしたりして職を転々としました。そして最悪の犯罪を起こしてしまうのです。それは明治15年(1882)18歳の時でした。彼は日本橋蛎殻町の店に雇われたのですが、そこの女主人を強姦し放火したのです。彼は強姦と放火と殺人の罪を犯したのです。牢獄の中でも犯罪者達に恐れられ牢名主となって、房内の囚人全体を仕切りました。

 ★好地由太郎のキリスト教との出会い。                                                  彼のいる刑務所に一人の青年が入って来ました。牢名主の好地由太郎は、新参者への当然な習慣として「娑婆でどんな事をしてここに来たのか」と聞きました。しかし青年は「私は何もしていません」と言うばかりでした。何もしないでここに来るはずがないと、囚人みんなで青年を袋叩きにました。すると青年は「私は死んでも天国に行くから良いが、あなたがたは地獄に行くから可哀想だ」というではありませんか。騒ぎを聞きつけて看守が入って来て、青年を連れ出しました。その時、好地由太郎は彼の袖をつかみ「どうすれば君のような心になれるのかと」と聞きました。すると「キリスト教の聖書を読みなさい」と一言残して出ていきました。実はこの青年は路傍伝道をしていたところ、警察にやめるように注意されたのですが聞き従わなかったので逮捕され、間違って重犯罪者の房に入れられてしまったのです。そのことが分かり、20分か30分の後に釈放されています。その青年の言葉が気になり、好地由太郎は姉に頼んで聖書を差し入れてもらいました。しかし好地由太郎は、文字が読めなかったのです。自然と聖書から遠ざかってしまいました。 

 ★ くりかえした脱獄と脱獄計画                         彼は死刑の日を待つ身でした。後に無期懲役に減刑されたにも関わらず脱獄を繰り返し、逮捕されては刑務所に逆戻りしました。そのような北海道の刑務所暮らしの中で、不思議な同じ夢を三度もみました。明治2年(1889)1月2日の夜のことでした。子供達が現れて「若者よこの本を食せよ」と語りかけました。しかし彼は文字が読めず、その聖書が読めなかったのです。 

 ★文字の勉強と聖書の暗記                                                            彼は文字の勉強をして聖書を読もうと決心しました。すると囚人達の彼に対する迫害が多くなってきました。それでもなんとしても聖書を読もうと勉強を続けました。ついに誰にも邪魔されないように、独房入りを願ったのでした。ついに3年間でほぼ新約聖書を暗記してしまいました。さらに4年間の独房生活で、旧約聖書もほぼ暗記してしまいました。しかし彼には無期懲役に加えて、脱獄等の罪の9年までもある身だったのです。さらに減刑があったようで、出獄の時がやってきました。明治37年(1904)のことです。彼は釈放されました。彼は釈放後、キリスト教伝道者の中田重次らと共に、各地を伝道して回りました。たくさんの人達が彼の伝道によって救われました。その中の一人がノリタケの創業者、森村市左衛門です。彼は好地由太郎のファンでした。洗礼は好地由太郎先生にして頂くと決めて、洗礼を授けて頂いたほどです。 

 ★神様は、文字の読めなかった好地由太郎に聖書を与え、文字を教え、多くの人々の伝道者としました。彼の伝道によって、学者や実業家に至るまで多くの人々が救いに導かれたのです。極悪人・好地由太郎が、聖人・好地由太郎になったのです。人間的に見れば害にしかならないように見える人でも、イエス様は神の人とすることが出来るのです。イエス様の人間を作り変えるお働きは今も続いています。ミッションバラバなどの存在がその良い例でしょう。

 今日の話に相応しい聖書の言葉を挙げておきます。

マタイ 3:9 『われわれの父はアブラハムだ』と心の中で言うような考えではいけない。あなたがたに言っておくが、神は、この石ころからでも、アブラハムの子孫を起こすことがおできになるのです。

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